歯根嚢胞の治療や費用について知りたい方に、読んでほしいブログです。
昨年3月に、歯に膿がたまる歯根嚢胞という病気になり、全身麻酔で摘出手術をしました。
今は以前と変わらず元気ですが、病気が発覚したときはすごく不安だったので、これから治療をする方の参考になるように、歯根嚢胞の治療や費用などについて書いていきたいと思います。
私の記憶も曖昧ですし、治療方法は一人一人異なると思いますので、あくまで参考程度に読んでもらえればと思います。
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目次
歯根嚢胞の発覚
突然、前歯と鼻の間に強い痛みがあり、触ると腫れていたので、「虫歯かな…?」と思い歯医者に行きました。
歯医者でレントゲンを撮ると、痛みを感じた部分が真っ黒に写っていました。
そして、レントゲンをみた歯医者の先生から、
・歯の奥に膿がたまっており、この大きさになると歯医者では応急処置しかできない
・紹介状を書くから、早めに総合病院に行ってほしい
・おそらく全身麻酔で摘出手術を受けることになる。抜歯の可能性もある
と言われて、まったく状況が読み込めず、頭が真っ白になりました。
その日は応急処置で取り出すことができる膿を取り出し、一時的に痛みや腫れはなくなりました。
そのあと、歯に膿がたまる病気(歯根嚢胞)について調べたのですが、神経を治療した歯の奥で膿がたまり、どんどん大きくなってしまう病気のようでした。
早めに気づけば歯医者で治療ができるのですが、私の場合10年近く気づかなかったので、歯医者で治療ができないレベルまで大きくなってしまったようです。
(そういえば、昔から違和感はありました…。)
反省点:違和感を感じたら、すぐに歯医者に行く
総合病院で検査
総合病院は全然電話が繋がらなかったのですが、やっとの思いで予約を取ることができました。
余談ですが、初めて電話をかけたとき、検査予定の科や担当医がわからず、再度電話をかけ直すことになりました。
時間を無駄にしないように、歯医者からの紹介状を見ながら電話はすべき、というのが反省点です。
反省点:紹介状を見ながら電話をする
そして、歯根嚢胞の発覚から2週間近くたった3月中旬、紹介状と身分証明書を持って、総合病院に行きました。
病院では診察券を作ったあとに、レントゲンを撮り、歯科・口腔外科で問診を受けました。
レントゲンを見た先生から、
・レントゲンの写り方から悪性腫瘍ではないが、歯根嚢胞の疑いがある(病気の正体は摘出後に薬物検査でわかるらしい)
・小さいものだと部分麻酔で摘出、大きいものだと全身麻酔で手術、1週間くらいの入院が必要になる
・3Dで見ないとわからないので、CTの結果を見て治療法を決める
などと言われました。
その後、CTを撮り、6,840円を払ってその日は帰りました。
そして、2週間近くたった4月上旬、再び病院に行きました。
CTの結果、膿が1.5cmくらいの大きさのため、全身麻酔の手術が必要ということでした。
CTの画像には、自分の顔の骨や筋肉が写っているのですが、部分的に骨と筋肉のかたちが変形しており、素人目でも病気とわかりました。
ただ、恐れていた抜歯はしない方向で進められるようで、手術前に歯を残すための根管治療を歯医者でやってきてほしい、と言われました。
歯医者での治療期間を考えて、1ヶ月半くらい先に病院の予約をして、今回は終わりました。
230円だけかかりました。
入院前の治療と準備
病院で検査結果がわかった後、かかりつけの歯医者で、歯の根幹治療を5回くらいやりました。
根幹治療は、歯の根に溜まっている汚れを取り除く治療で、これはこれでしんどかったです。
そして、根幹治療の報告と手術日を決めるために、再び総合病院に行きました。
このタイミングで、手術日と入院日を決めました。
私の場合、手術日が6月22日になり、前日の6月21日に入院することになりました。
入院期間は約1週間と言われましたが、手術後の経過を見て判断するようで、退院日は決められませんでした。
そして、入院1週間前、入院前の検査や手続きのために再び病院に行きました。
入院前の検査では、尿検査、採血、レントゲンなどをやった気がします。
その後、担当医から手術の説明がありました。
・病名は歯根嚢胞か良性腫瘍。とってみないとわからない。良性腫瘍の場合、再発の可能性がある
・治療法は歯茎を切って膿の袋を摘出する。歯の根っこも一部切るので、歯がグラグラする可能性もある
・摘出した部分は、感染しないようにガーゼを入れる。1週間程度でガーゼの交換が必要。初回のガーゼ交換は痛い
・手術時間は1時間程度
説明はこんな感じだったと思います。
その後、入院の受付担当から、入院の保証金や病室などの説明があり、大量の書類をもらいました。
高額医療を申請すると、入院費用が安くなるようで、高額医療の手続きをやったほうが良いというアドバイスも受けました。
ここから入院当日までにやったことを箇条書きに書いておきます。
・入院に必要な大量の書類を書く
・生命保険会社に電話し、保険をもらうための書類を送ってもらう
歯の手術の場合、手術給付金は受けられないということでしたが、今回は顎の病気でもあったので、保険が適用されました。
・保険組合に、高額医療申請に必要な書類を送ってもらう
書類が届くまで約1週間かかりました。
私はギリギリ間に合いましたが、高額医療申請が適用になる期間は短いので、申請する方は注意してください。
・入院のための荷造り
荷造りについては、次にまとめて書いておきます。
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入院のための荷造り
入院に持っていた荷物は、以下になります。
・必要書類
・お財布
・ケータイ
・カバン
・クロックス
・時計
・イヤホン
・ポーチ
・ケータイの充電コード
・ケータイのポータブル充電器
・パンツ4日分
・靴下4日分
・ストロー
・紙コップ
・タオル6枚
・会社のPC、ケータイ
・自分のPC
・本6冊
・ふりかけ
・シャンプーボディーソープ
・電動髭剃り
・メガネ
・帰りの服
・歯磨きセット
・筆記用具
・ノート
・保湿液
・髪のワックス
・髪のスプレー
・コンタクト
他、入院中に必要となって買ったもの、あれば良かったものも書いておきます。
入院中に買ったもの
・ティッシュ
・デオドラントシート
・マスク
あれば良かったもの
・ドライヤー
・体を洗うスポンジ
・延長コード
ティッシュは本当にあって助かったので、絶対にティッシュは用意しておいたほうが良いです。
持ち物については、以下のブログでもまとめておりますので、参考にしてみてください。
【参考】入院の準備に!入院に必要・便利な持ち物リスト 30選
総合病院に入院(入院1日目)
そんなこんなで、手術日の1日前に入院しました。
朝早く病院に行き、保証書、診察券、保証金10万円を受付で提出しました。
保証金が用意できない人は、クレジットカードを担保にしても良いらしいですが、普通に現ナマで用意しました。
ナースセンターで、身長と体重を計りました。
ナースは白衣ではなく、紺色の服を着ていて、少しがっかりしました。
その後しばらく待合室で待っていると、6人部屋の病室に案内されました。
そこで、病院について、簡単に説明をされました。
・ケータイは電話しなければ使って良い
・病室に簡易的な金庫、ロッカーもあり使って良い
・テレビは売店でカードを買うと見ることができる
・お風呂は30分単位で予約して入る
・明日の手術のときは、手術用の病衣を着てもらう
・いつ呼ばれるかわからないから、できるだけ病室にいたほうが良い
説明はこんな感じでした。
そして、病院で初めてのご飯の時間になりました。
手術前なので、しっかりとしたご飯でしたが、美味しくはなかったです。
漫画喫茶みたいな狭い空間の中で、周りの人のくちゃくちゃと食べる音が聞こえてくるのも、良い気持ちではありませんでした。
そのあとは、何人もの先生が挨拶しに来たり、麻酔医の問診があったり、明日の手術の説明があったりと、次々にいろんな人に会いました。
手術の説明ですが、本日0時以降は固形物を食べるのはダメ、明日9時以降は水もダメ、と言われました。
また、明日は手術室までは歩いていき、手術後はベットで戻り、数時間寝たままの状態で安静するように言われました。
手術時間が短いこともあり、恐れていた尿道カテーテル(痛いやつ)は必要ないということで安心しました。
夜になると、お風呂に入りました。
お風呂には浴槽もありましたが、普通にシャワーだけで済ませました。
スポンジとドライヤーを持ってこなかったのは、不便で後悔した部分になります。
(ドライヤーはどこかで借りれたのかもしれません。)
20時の消灯前に、明日の手術にかかわる先生が6人くらい挨拶に来て、入院1日目は終了しました。
歯根嚢胞の手術当日(入院2日目)
6時半くらいに起床しました。
ちょっと早く目覚めてしまったなぁ…と思っていると、看護婦さんが体温や血圧を計りに来たので、病院の朝はとても早いんだなぁと思いました。
お昼に手術なので、それまでは待機になります。
手術時間が近づいてくると、麻酔から覚めるのか?とか、歯は残るのか?とか、色々な心配事が出てきて、だんだん緊張してきました。
そして、当初の予定から1時間くらい遅れて、手術室に呼ばれました。
しっかりトイレを済ませて、もちろん指輪などのアクセサリー類は外しました。
メガネは手術室まで持っていっても大丈夫でした。
担当医と家族と一緒に、手術室まで歩いて向かいます。
そして、名前や生年月日を言って手術室に入り、ドラマで見たことがあるような手術室で、手術台に寝ました。
そこには、5人くらいのお医者さんが待っていて、私の緊張をほぐすつもりなのか、皆さんテンションがとても高かったです。
落ち着いたピアノの音楽も流れていました。
手術台に寝ると、心電図をつけたり、麻酔を入れる点滴をつけたり、どんどん準備は進んでいきました。
最後に不安はありますか?と聞かれたので、麻酔が初めてで緊張しますと答えたら、それは楽しい体験ができますよ、とお医者さんは笑っていました。
なんだか、遊園地のジェットコースターに乗って、出発前にスタッフが話しかけてくる感じに似てるなぁと思いました。
呼吸器が口について、深呼吸してくださいと言われます。
そして、麻酔を入れますねーと言われて、麻酔が点滴のところから入ってきます。
少しずつ体がほわほわしてきて、いっきに入れますねーと言われて、どんどんほわほわして…ここから記憶はありません。
麻酔中は、本当に寝ているときと一緒の感覚で、何も覚えていません。
ふと夢らしきものが浮かんだとき、呼びかけてくる声に気づき、意識が戻りました。
手術が終わりました。
あとで家族から聞いた話だと、手術は1時間程度だったらしいです。
その場で取り除いた歯根嚢胞を見せてもらいましたが、意識が朦朧としているのと、視力の悪さでよくわかりませんでした。
そして、次に気づいたときは、病室のベットで寝ていました。
すごく息苦しく、タンが詰まっている感覚だったので、近くにあったティッシュでタンを吐くと、タンが血だらけでした。
医者からは容器にタンを吐いてくださいと言われましたが、容器に吐くのは抵抗があり、ひたすらティッシュに吐いていました。
ここから3時間、麻酔から回復するために、枕も使わず寝ていなければならないのですが、息苦しさで眠くもなく、やることもなく、地獄のような時間でした。
そして、恐る恐る歯を確かめると、歯はしっかり残っていました。
口は開けづらかったですが、思った以上に平気で安心しました。
もうずっと寝ているのは無理と思い、見回りに来た看護師さんにまだですか?と伝えると、ちょうど3時間だったようで、ベットの頭のほうをゆっくり上げてもらえました。
そのあと、歩く練習ということで、点滴をつけた状態で看護師さんとトイレに行きました。
少しフラフラしましたが、問題はなく、喉もだいぶ良くなってきました。
トイレの鏡で自分の顔を見ましたが、特に腫れているようには見えませんでした。
傷口の様子を恐る恐る見ると、傷口の端と端が糸で縫い合わせてあり、真ん中に血だらけのガーゼが入れてある状態でした。
トイレから戻ると、流動食のご飯も用意されていました。
流動食なのに、昨日の食事よりも美味しかったです。
ここからスマホをいじったり、ちょっと寝たりしながら、消灯時間を迎えました。
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入院3日目
昨日は腫れていなかったのですが、今日は顔の左側がおたふくのように腫れてきました。
朝から診察、消毒をおこないました。
手術後2〜3日目が、一番腫れるということでした。
時間が過ぎるにつれて、医者の言う通り、徐々に腫れが大きくなっていきました。
色も青っぽくなりました。
夜になっても腫れはひきませんでしたが、これ以上悪くなっている感じでななかったです。
今日はお風呂にも入れました。
また、先生から入院6日目に退院できると言われました。
寝る前に、今度はみぞおちに違和感を感じるようになりました。
そして、触ると痛い。
みぞおちの痛さが気になりましたが、この日は無理矢理寝ました。
入院4日目
朝起きると、腫れが昨日よりひどくなっていました。
目が開けづらいほどに腫れていました。
みぞおちも相変わらず痛いです。
看護師さんに聞くと、手術中に体を固定されていたからでは?と言われました。(たぶん違う)
夜になって顔の腫れは落ち着いてきたきたのですが、みぞおちの痛みは続いていました。
寝ると少し楽になるのですが、みぞおちを押したり、曲げたりすると痛く、違和感がとても気持ち悪かったです。
何か大きな病気の初期症状では?とか考えましたが、様子見で過ごしました。
入院5日目
熟睡はできませんでしたが、みぞおちの痛みが弱くなってきました。
これには、かなり安心しました。
歯の腫れもおさまってきたので、今日はゆっくり休もうと思いました。
先生の巡回があり、明日の退院前にガーゼ交換をおこなうと言われました。
そして再び、初めてのガーゼ交換は痛いと言われました。
この日はだいぶ元気になってきたので、テレビを見たり、本を読んだりして、普通の休日みたいに過ごしました。
総合病院を退院(入院6日目)
朝起きると、口から血の塊のようなものが出て来ました。
傷口から出てきたもので、先生に聞いたら、拭き取っても良いと言われました。
そして、初めてのガーゼ交換。
口にピンセットを入れて、約30cmくらいの細長いガーゼが、傷口からシュルシュルと出てきました。
ガーゼを取り出すと同時に、じわじわと痛みが強くなりました。
そのあと、洗浄液みたいので2回消毒しました。
そして、最後に新しいガーゼを入れました。
このあたりは、本当に痛くて、自然と涙が出てきました。
そのあと止血を少しして、ガーゼ交換は終了しました。
ガーゼ交換が終わったら、病室で看護士さんから、入院の支払いについて説明がありました。
・後日請求書が届くので、保証金の10万円は預けたままにしておく
・高度医療限度額の書類は、早めに持ってこい
・生命保険の書類は、窓口で確認が必要
みたいなことを言われました。
そして、ついに退院。
荷物の整理と忘れ物の確認をしてさよならです。
テレビカードの使用時間が余っていると、換金できるのには驚きました。
退院後、いきなりたくさん歩いたせいか、少し息苦しく、再びみぞうちに違和感がありました。
症状について調べてみると、手術後に自律神経のバランスがおかしくなって、息苦しさを覚える人もいるようなので、それかなと思いました。
夜になると、息苦しさも感じなくなったので、安心しました。
退院後の治療
退院後の治療ですが、定期的にガーゼ交換をおこないました。
2回目のガーゼ交換は、退院から2週間くらい経った日でしたが、ガーゼ交換までの2週間はとても悲惨でした。
痛みはないのですが、日に日にガーゼが歯茎から前に出てきて、笑うとガーゼが見えそうになりました。
また、食べ物もくっついたり、飲み物も染み込んだりと、、とても気持ち悪かったです。
ガーゼが前に出てくるたびに、指で押して詰めたり、なるべく水を飲んで清潔にしようとしていました。
2回目のガーゼ交換は、前回のように痛くはなく、新しいガーゼになって気持ち良かったです。
このときに、手術で摘出した物質の検査結果から、病名も歯根嚢胞で確定と言われました。
また、領収書も届いたので、このときに精算しました。
87,277円の請求金額でした。
10万円の保証金から支払いに当てて、1万ちょっとのお金が戻ってきました。
その後、3週間ごとにガーゼ交換を繰り返し、ガーゼ交換の度にガーゼの長さは短くなっていきました。
そして、退院から3カ月後の9月には、ガーゼを取り外し、そのまま穴が塞がるのを待ちました。
1月になった今でも、穴はまた完全に塞がらず、あと1回くらい病院に行かなくてはならないのですが、ほぼ完治したと思っています。
(先生いわく、歯根嚢胞を摘出した場所に、完全に骨ができてくるには数年かかるとのことでした…)
歯根嚢胞の治療にかかった費用
最後に、歯根嚢胞の治療にかかった費用をまとめてみます。
・入院前の治療費用(歯医者込み)
39,050円
・入院費用
87,277円
・入院後の治療費用
1,610円
合計127,937円もかかっていました。
入院費用は、高額医療限度額申請をしたので、通常の費用よりも少し安くなっていると思います。
費用は結構かかってしまいましたが、生命保険で13万円返ってきて、健康保険組合からも6万円もらえたので、結果的にプラスになりました。
生命保険が適用になって本当に良かったです。
以上、歯根嚢胞の治療や費用についてでした。
病気になってしまうと、時間も費用もたくさんかかってしまうので、日頃から予防をすることが大事だなと思いました。
歯根嚢胞に限らず、何か体に違和感があった場合は、早めに病院に行ってください。
お付き合い頂き、ありがとうございました!
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